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友人に、ジャズベーシストが居る。
彼に、ベースをデザインした。
その素焼き。
これから、本焼き。
このベースは直線的な「箱」のようなシルエット。
中米にカホンという打楽器がありますが、好きな楽器です。ダンス舞台でも使ったことがあります。飾り気のない直線的なデザインだが、素材が木材だからかもしらないが情のある音がする。
数年前に、神戸のライブハウスで、一緒に演奏をした。
トリオでやった。
もうひとりは、ピアニスト。
私はギターを弾いた。
「料理はベーシストが創り、使う器や酒器はすべて私が創る、ピアニストは精魂込めておもてなしをする」ということが、付録と言うか、それがメイン。
つまりディナーショーという事なのですが。
もちろん、ジャズライブなのだから、演奏も聴衆を魅了堪能させるものでなければならない。
ベーシスト作曲、ピアニスト作曲の、新曲が二作品披露された。
中華風味ブルースとボサノバ。ギターは私…。
もちろん世界初演である。
ベーシストは、やたら料理が上手い。
なので、ベースも弾けるシェフ、ピアノも弾けるマダム、陶芸もできるギタリスト。というシャレ。だったわけですが。
当日は中華料理コースでした。
ということで、ミュージシャン全員中国系コスチューム。
バンド名は、チャイニーズ・キッチン・バンド。
もしくは「ザ・キッチンワーク・ジャズトリオ」。
そのショーのときに創った手元にある大皿の裏を観てみましたが、
花の象眼をほどこしてあり、
「THE KITCHEN WORK JAZZ TRIO」と刻印されていました。
なんだか、わからないが、おもしろかった夜。
※使用ギターは、ストラトキャスターだった。 ジャズなのに。
※ベーシストは、幼稚園の同級生。写真横にあるのは、彼のバンドのCD。

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建物の彫刻をつくるときに
事前に窓をいくつかつくって、室内採光の具合を確かめます
同じように階段もいくつか作っておいて、建物のスケール感を考えます
窓の大きさやかたち 階段の段差 各所の壁の厚味などで全体のバランスをとってゆきます
思い起こすと 朝日を多く取り入れるような建物が多いです
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朝
水の教会。
海の近くの丘にある教会。
背後の山からの地下水。
入り口は東に向いていて、室内奥まで朝日がとどく。
西側は、すぐ海。海側には、テラスがある。
内部に泉が湧いていて、水路に成っています。
床は全面、湧水で充たされています。
この作品は、水路奥にそれぞれ採光窓があり、水路に光が差し込みます。
※舞踏家から譲り受けた一枚のポストカードから始まったお話しです。

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象の絵 壁
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絵の具 ロウソク
photo by Satoh Shoji
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器彫刻とか、静物彫刻と言っても、器っていうのは、なにをどーしたって「器」に見えてしまいます。
それは、器をつくっているのだから、当たり前と言えば当たり前のことではあるのですが。
立体の器作品は、なかなか静物絵画のようには、ならないということです。
これも、わかりにくい言い方で申し訳在りませんが。
蟹やら林檎を平面デッサンするように立体にすると、蟹の彫刻に成りますが、コップやら皿を観ながら立体をつくっても、それを観るたいがいの人は、それを『器の彫刻』とは思わずに「器」として観るでしょう?
ということなのですが。
これでも、解りにくい言い方です。
作文は難しいです。
空想の動物は、絵画や彫刻でもつくられている。
私は、自分でつくったコップを観ながらコップも創りますが、
最初の一個目は、まったく新しいところから想像してつくったもので、イメージから産まれたもの。
それも、また、「器」として観られていて。
作品をいくつか並べ、置き場所や光線状態を変化させたりしつつ、
私の器は、どのように組み合わせてみたら、「作品」として見えるのだろうか。
などと考えます。
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photo Satoh Shoji
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私のつくる器彫刻は、薄い。
器の中に入っている、お酒の重さがわかるような。そういうイメージ。
私の考えでは。
「物は丈夫な素材で強固に作るから壊れない のでは無い」と思っています。
私は、物は、丁寧に接するから壊れないのだと思う。
大事に使えば、壊れない。
長い間、身近で接しているとそれぞれに情感が育まれてゆきます。
それに 壊そうと思えば、なんだって壊れてしまう。何百年も耐える構造の日本家屋も。
愛しみと共に、大切にするから家具も家も住み継いでいける。
そして、街も家屋も家具も器も そのように暮らす私たちにかならずこたえてくれる。
ひとつの器と個人史が育まれてゆく。
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photo Satoh Shoji
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自然光の部屋で白い作品を観ているといろいろな色が見えてきます
白い中の微細な色の変化を楽しむ。
晴れた日と曇った日では現れる色味がちがう。
室外の直射では色が飛んでしまう。
先日、学生のころの恩師から「静物彫刻としての器」について、興味深いという言葉がとどいて
その先生が以前ボローニャのモランディの美術館を訪ねたときのことが記されていました。
モランディについて私は、ほとんど知らなかったのですが、モランディは静物画を描く為にモチーフのガラス瓶や鉢を無機的な単色の絵の具で塗って研究をしていたそうだ。
そういうこともあって、モランディの絵には彫刻を思わせる造形の強さがあるのだそうです。
白い器彫刻にモランディの造形精神に通じる魅力を感じたと言葉は結ばれていました。
モランディの作品は、写真集で何回か観たことがあるだけなので、今度本物をゆっくりとみてみたい。