
HOUSE 3D
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spirit catcher
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「精霊の話」というのを考えていました。
知人の音楽会のパンフレットに物語を発表したのですが、今手元に冊子が無いので記憶で簡単に書きます。
木の精。
木の精霊は、やがてはほんとうの木になって定住するのですが、かけ出しの頃は歩いてる。
精霊は、最初は歩いて暮らしている。
最初とは言っても、最初の数百年から千年ちょいくらいまで。ずんずんあるいてる。
疲れると、何十年かに一度、木に登って安全にぐっすり寝る。何十年も歩きづめで疲れてるし数ヶ月は目を覚まさない。そして目覚めて、またどんどん歩く。
そして3000年ほどしたら、だんだん歩みを止めて、それぞれに長寿の木に成って行きます。
で、
そこでだ。
精霊が休みそうな木の上に、小屋を造って、その中に軟らかいベッドを用意する。
ある日、疲れた精霊が、木に登ってきて 家を発見中に入って「これはいい。最高じゃん♪」とベッドにゴロン。
爆睡。
その間に、ハシゴをはずしてしまう。
という寸法が、この作品。
精霊は、目が覚めても木から降りるに降りれず。
いつまでも滞在するはめに成って。
私の庭はずーっと、精霊の清らかなオーラに包まれるっ てわけです。
※コツ。
精霊は、多くの場合見えないので、ベッドの凹み具合や寝返りの動きなんかで、家の中にいらっしゃるかどうかを確認する。
※制作素材は、アトリエの庭の竹や木の枝だけを使用しました。

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ceramic bowl
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私の作品は、だれでも手に入る素材を使用し、だれでも出来る技法でつくろうとしています。
デッサンやドローイングは、一般的な絵の具やら筆やボールペンやノート。街で買える粘土。技法的には「ひねり」と「板つくり」以外はほとんど使っていません。土の焼成方法は、もっとも一般的な焼き方によって作られています。
街の陶芸店で買えるもの。電気窯による酸化焼成。
ですから、窯に入る前の段階までで、作品のほとんどが決定されています。
備前などの伝統陶芸をやってらっしゃる作家の方とも機会がある度に話すのですが、
炎芸術を徹底するためには、「田舎に住んで、登り窯を持つしかない」と常々思います。土を掘って、土をつくって。釉薬をつくって。
話を伺う度に、これは私がいくら電気やガス窯を使って、還元焼成したって、かなわないと思います。
ならば都市部では、土をつかった作品で、なにができるのか。
だれでも手に入る素材、だれでもできる焼き方、だれでも知ってる技法。
それをつかって、自分にしかできない表現を立ち上げることはできないだろうか。
を目指す…。
のだけど、「自分にしかできない」などと言ってしまうとハードルが高いし傲慢かもしれないので「自分らしい」とか言っています。だが、じぶんらしい…というのも、自分から言ってしまうとなんだか曖昧で気持ち悪い言い方。
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この建物の内部には温泉があります。
温泉に入る人は、まず側面の階段を上がり、一端内部に入り内部階段を上って再び外壁通路を歩き階段を上って屋上に出て、屋上の縁歩いてさらに外壁階段を下り、正面テラスから内部に入ります。そして内壁階段を下り通路を歩き、ようやく入浴することができます。
四角く切り取られた空が見える温泉です。
入浴後、帰りは、同じ道順をたどります。
長湯でのぼせているので、より足下に注意しながら歩かねば成りません。
テラスや屋上で、風景を眺めたりして休みます。

meet again / for the bereaved family

a chair
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椅子は、よくつくるモチーフです。
こまごま小さい作品も含めると、100点以上つくっていると思います。